インプラントの歴史

インプラントの歴史

ブローネマルク(右)とインプラント第一号患者(左)

インプラント治療の歴史は長く、遡ると、はるか古代の時代まで行きつきます。 古代のミイラなどが発掘された際、よく歯の間にエメラルドや金などの宝石、 貴金属が入っているのを見た事がある人もいると思います。

しかしながら、昔の技術で、今と同じ様な麻酔や手術の技術があったとも考えられませんし、 宝石や金といったものでは、王族の人くらいしかそれを行うことは出来なかった事になりますから、 一般的に広まっていたのかどうかは不明です。

また、そういった宝石が歯の役割を出来るのかどうかについても、少し考えにくい気がします。 いずれにしても、ミイラなどは、死後の美しさや権威を維持しようとする為の安置法であり、古代から、 欠けた歯を取り戻したいという思いはあったのかも知れませんね。

少し新しい時代になると、スウェーデンのブローネマルク教授が有名です。 インプラント治療に関して調べようとすると、だいたい見た事のある名前だと思います。

ブローネマルク教授は、ウサギを実験台にした実験で、偶然にもチタンが骨と結合すると言う事実を発見し、 人間の歯に使用出来ないかと考えたそうです。その後、数十年に及ぶ研究や実験の結果、 インプラント治療法が確立されましたが、特許申請をせず、当時の世間に全ての情報を公開した為、 世界中にその治療法が行き渡ることとなりました。

そうして初めてのインプラントが行われ、彼は40年以上もの間、その歯を使用出来たということです。 これにより、現在のインプラント治療へと飛躍的に発展していったのです。